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米国音楽編集長 川崎氏より
今回のコラボ商品に関する解説
ロンドン・パンクはまずカネでしょう(マルコム・マクラーレンの言うことを信じすぎているのかもしれませんが)。歴史上もっともカネの話をする音楽ジャンルはヒップホップですが、そこらへんの流儀の「お札プリント」ワザをこっちに持ってきてみました。 ジョニー・ロットンの持つHUSLER な雰囲気を表現してみました。Designd by D.K.M.D. aka Daisuke Kawasaki

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パンク、ピストルズに対するコメント
1977年の夏、僕はロンドン郊外のクロイドンという街にいた。といっても、まだティーンエイジャーですらなかったので、あまり大した記憶は残っていない。覚えているのは——夏なのに、とにかく寒く、天気が悪かったこと(Tシャツ1枚でいられたのは、夏じゅうで1〜2日しかなかった)。寄宿舎の学食がまずかったこと。遠足で行ったブライトンの浜が玉砂利だったこと。77年なのに(!)煉瓦を積んで新築の建物を建てていたこと。レコード・ショップでは、ベイ・シティ・ローラーズの『イッツ・ア・ゲーム』や、イエスの『ゴーイング・フォー・ザ・ワン』が大フィーチャーされていたけれども、どちらにも興味がなかったので、『スターウォーズ』のサントラを買った。ジュビリーがらみということで、女王陛下の肖像がプリントされたスプーンも買った(もちろん、目伏せされてない正規のやつを)。子供の目には、とくにパンクは目立っていなかった。ただ、ひとつだけよく覚えているのは、クロイドンの駅の地下道のコンクリート壁に「Sex Pistols」とスプレーで大書きされていたこと。グラフィティ・タッチというわけじゃない(当時、ロンドンにグラフィティ文化はまだなかった)。たんなる、下手くそな、やけに大きな文字。他には全然落書きもない、コンクリートの壁に「とにかくでっかく」スプレー書きされたそれだけは、やけに強く印象に残った。

その文字の意味が何だったかわかったのは、日本に帰ってきてからだった。FMの音楽番組で、シド・ヴィシャスが歌う "マイ・ウェイ" を聴いたときに、やっと「Sex Pistols」が何だったのか、ということがわかった。そして、自分が学校に入学したとき、ブラス・バンドが演奏していたような曲が、もののみごとに、いとも簡単にずたずたにされたアレンジとヴォーカルを聴いて、「これがパンクなんだ」「これがロックなんだ」ということを学んだ。そんな音楽が、あのひどい天気と陰気な街と、学食のまずい豆が当たり前だった街から出てきたことが、子供なりに、妙に納得させられるような気がした。映画音楽のスコアばっかり聴いていた自分が意識的にポップ・ミュージックを聴き始めたのは、このときからだと思う。もちろん、ロンドン発のポップ・ミュージックばかりを聴き進むことになった。いまではいろんな音楽を聴くし、携帯の着信音がインクレディブル・ボンゴ・バンドの "アパッチ" だったりもしますが、「お前はなんなんだ!」と他人から詰問されたとしたら、自分はやはりロックであり、もっと言えばパンクスなのだと思う。それもNYじゃない。ロンドンのオリジナル・パンク。服屋のおやじが2年前のNYの流行を取り入れてデッチ上げたバンドが「ロックは死んだ」と言い放ったときに起きた「何か」。レゲエ・コンプレックスでいっぱいだったバンドがパンクを選択したがために、その先にディスコやヒップホップと混交していったような「何か」。そのほかの街、ほかの時代には絶対になかった「何か」——音楽のマジックとか、そういったシンプルで善的なものじゃなく、悪意やら金銭欲やら手前勝手な体制批判やらが「偶然」生み出したもの。ポップ・ミュージックの輝ける歴史の上にささった、二度と抜くことのできない棘。それが僕にとっての「ロンドンで生まれたパンク・ロック」であり、文字通り、正真正銘/徹頭徹尾のパンク・バンドというのは、(僕にとっては)セックス・ピストルズただひとつしかいない。異論もある人も多いでしょうが、これは宗教と同じ、いや、呪いと同じなのだからしょうがない。

解けない呪い。忌まわしきものの記憶。この衝撃がなかったら、たぶん僕にとってポップ・ミュージックは、ロックはまったく意味が違ったものでしかなかったと思う。なんか適当な趣味として、それで十分オッケーなもの、ぐらいでしかなかったかもしれない。しかし、ピストルズは存在した。あいにく僕は、それを知ってしまった。あのとき地下道でたまたま通りかかって、それでいまここにいる。

ピストルズで好きな1曲とその理由
やはり "ゴッド・セイヴ・ザ・クィーン" 。ノー・フューチャー! 嫌味と呪詛だけで出来ているから、誰にどれだけ嫌われても(あるいは、好かれても)本来のスピリットが一切減じない、奇跡のような一曲。


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# by supporters_blog | 2004-11-26 22:12 | 写真展へのコメント

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